Review:魔法先生ネギま!

 ネギまが今年の春に完結しましたが感想書いてなかったので、今更書こうと思います。
 ネギまは私をオタクの道に引き込んだ張本人であり、非常に思い入れのある作品です。


 ネギ君は結局フェイトを仲間に引き込み、完全なる世界が提案する「世界を救う」手段ではなく、魔法世界と現実世界が力を合わせて火星をテラフォーミングする道を示しました。
 学園祭からこの最終回まで7、8年くらいかかりました。長かったですが素晴らしい作品でした。


ネギが父を超えるまで
 英雄であった父を超えることがネギの目標として早期に提示されました。
 ネギま!は、幼少期にネギの村=「子供だったネギにとって世界」のすべてをたった一人で救ってしまった英雄に出会ったことから、一人でなんでもできると歪んでしまったネギを救う物語でもありました。
 武闘会でナギに「お前自身になれ」と言われたことで自身の戦闘スタイルに悩みながらも、ちうやエヴァに支えられて闇の魔法を活用するスタイルに落ち着きました。
 また、トラウマのせいで一人ですべてを背負い解決しようとする性格でしたが、学園祭や魔法世界での冒険を通して仲間を頼ることができるようになりました。
 学園祭武闘会で夕映が幻視した父を追いかけ続けるネギの姿と、魔法世界でアスナが幻視した父を超えたネギの姿の対比。
 完全なる世界を倒すことしかできなかった「武雄」ナギと、魔法世界を危機から救おうとする「英雄」ネギの対比。
 見事に父を超える少年の物語を見せてくれました。


超の計画とネギの計画
 ネギとナギの対比もそうですが、ネギと超の対比が好きでした。
 超が「魔法バレによる世界の混乱はコントロールしていく」「私ならできる」と独裁者のような発言をしながら魔法世界の存在を公表する革命を起こしましたが、ネギは逆に有力者たちとのコネクションを頼りに世界中の機関で力を合わせながら魔法世界の存在を公開していくという対極の手段を取っています。
 ネギの進んだ未来は結果的に超の回避したかった未来に繋がるのかもしれませんが、ネギの示した道がみんなの未来を作り、ネギ以外の力が合わさった象徴として軌道エレベータの建設が始まるのは世界を救う少年の物語の最後として素晴らしいものでした。