ゲームバランスって難しい―光と闇の姫君と世界征服の塔FFCC感想―

 ドラマが始まるということで、ロリコン養成マンガwマイガールをついに読みました。
 いやかわいいなコハルちゃん。ドラマでの石井萌々果の演技に期待。

マイガール 1 (BUNCH COMICS)

マイガール 1 (BUNCH COMICS)


 さて、黄昏色の詠使い考察やインターンの日記を書かなければならないが、今回はWiiウェア光と闇の姫君と世界征服の塔FFCCの感想です。ちなみに批判になります。


 このゲームは、ダンジョンのフロアを増やして、トラップやモンスターを設置し、次々とやってくる冒険者たちを退けるというもの。冒険者は、みならい戦士をはじめとして、全体攻撃をする黒魔道士、フロア破壊を行うシーフ、スピードの早い赤魔道士、防御力の高い白魔道士など様々。
 やってみれば、Tower Defenseだと分かる人は簡単に分かるでしょう。いかに冒険者に多くの戦闘をさせるかがこのゲームクリアのポイントになります。
 ダンジョンは階層構造となっていて、1フロアが足止めできる冒険者の数は1体のみ。もし、すでに冒険者のいるフロアに新たな冒険者が訪れると、そのフロアを無視して次のフロアへ行ってしまいます。つまり1フロア分の戦闘を無駄にしてしまうわけです。それを防ぐためにフロアとフロアの間に新しいフロアを挟んで時間稼ぎを行うのが常套手段になるでしょう。


 さて、序盤は楽しめたこの作品。徐々にプレイが苦痛になってきます。
 問題は2つ。ゲームバランスの悪さとボリュームの多さが問題だと思われます。


■ゲームバランスの悪さ
 このゲームは1000円にしては冒険者の種類が多く楽しめましたが、問題はモンスターの質。使える奴と使えない奴の差が大きすぎました。
 例えば、ムーというモンスター。こいつは設置コストが安いことが特徴です。しかし、それだけでなく、属性がなくスピードも速いために、どんな敵に対しても安定したダメージを与えてくれます。例えば中盤から登場するスピードの速い冒険者たちに対しては、通常のモンスターでは1回しか攻撃ができず、ダメージが期待できません。しかしムーなら自身のスピードが高いこともあり、1回の攻撃力は低いですが複数回攻撃を行うことができ、結果通常モンスターよりも大きなダメージを冒険者に負わせることができます。そして、コストの安さを利用してフロアの水増し、つまり戦闘回数の増加を軽々と行うことができるのです。最もコストが軽いフロアである暗黒のドレッサー+ムー×2を単純に積んでいくだけでクリアできるステージも少なくないでしょう。
 他には大型モンスターが挙げられます。通常モンスターで1回しか攻撃できない場合でも、大型モンスターなら一撃でHPの大半を持っていくことが可能ですからスピードなんて関係ありません。攻撃力の高さから属性による不利をほとんど無視することもできます。またムーより優れた点として防御力の高い冒険者に対しても優秀に働いてくれることが挙げられます。
 上記に上げたように、1つのモンスターに2つ以上の明確な役割を与えてしまったことがこのゲームの問題だと考えます。スピードの速い冒険者に対して有効なモンスターと防御力の高い冒険者に対して有効なモンスターが異なればもっと考えなければいけない楽しいゲームになっていたと思います。(難易度も増加しますが)


■ボリュームの多さ
 使えるモンスターが一部だけというのは実際Tower Defenseでは珍しくありません。私が昔はまってプレイしたゲームDesktop Tower Defenseでも主に使用するのはコストの安いPellet Tower、発射速度の速いSquirt Tower、対空用のSwarm Towerでした。しかしDesktop Tower Defenseの楽しさは自由度の高さと、アップグレードのメリットにあります。ダンジョンをどう組み立てるか考え、どのタイミングでどれをアップグレードするかに悩むことが楽しかったのです。しかし、このゲームにはその両方がありません。ダンジョンは一本道で自由度は少ないですし、アップグレードするよりフロアを水増しした方が遥かに有効です。
 このゲームは1000円にしてはステージの多さが目を引きます。が、それがこのゲームの問題となっています。ステージが多いのは問題ないのですが、すでに述べたようにゲームのバランスが悪いことと、ダンジョンが一本道であることが原因で、同じ戦略が異なるステージでも有効になります。すると、ユーザーからすると作業プレイになってしまう。さっきやったステージと同じとをすればクリアできてしまうんですから。それがかなり苦痛です。
 ユーザーに提示する選択肢を従来のTower Defenseのよりも少なくするためにダンジョンを一本道にしたのでしょうが、それがステージの多様性を奪うことになり、結果ユーザーの楽しみを狭めてしまった感じがしました。