世界を救うために村人Aができること−TV版東のエデン感想−

 とりあえず、2週連続の週末更新達成。次の内容を既に考えているので時間さえあれば来週も更新出来そう。


 さて、東のエデンの劇場版の公開が開始したため、TV版をもう一度見なおそうと本日東のエデンを1話〜11話まで見なおしました.
 今回、東のエデンを見直しての感想を書くわけですが、私の知識が狭いだけの気もするので適用に見てってくださいw


 さて、東のエデンの最終回11話。2万人のニートたちが意見を出しあって日本を爆撃から救う話なんですが、そのシーンで涙が出ました←おいおいw

 世界を救うためには世界中の皆が力を合わせることが必要ですが、私が今まで見てきたものって世界を救うために名もない人が具体的なアクションを起こすものって少ないんですね。裏では動いているのかもしれないけど、視覚には現れない。
 例えばドラゴンボール元気玉元気玉は主役にだけ焦点を合わせながら、世界中のみんなが協力して、世界の救済に参加出来る画期的なシステムです。ヒロイン達「主人公を信じましょう」→主人公「みんなが帰りを待ってるんだー!」という気合展開に比べて、みんなの貢献の影響を技の効果(だんだん大きくなっていく元気玉)で示すことができます。でも、元気玉システムには「モブキャラ達って結局何もしてないよね?」という疑問が欠点として残っています。


 では、なぜ人々が具体的なアクションを起こさないのか。理由は2つあると思います。
 1つは敵が強すぎてモブキャラじゃ何もできないから。モブキャラが魔神ブウとかに何かできるわけないので、物語がファンタジーになると強さのインフレがネックになります。この問題を解決した物語もあります。例えば禁書目録18巻のイギリス国民対キャーリサの展開です。禁書目録18巻では元気玉と逆で、女王個人の力をみんなに分け、モブキャラをザコキャラwまでランクアップさせることでイギリス国民が戦闘に参加できるようにしています。
 2つ目はモブキャラ個人の活動を書いてしまうと展開のテンポがどうしても遅くなります。物語が最終局面で主人公周りがじっくり書かれているとすると、さらにテンポを損なってしまう。テンポを優先すると主人公周りをじっくり書けません。確か禁書目録18巻では、モブキャラを戦闘に参加させ、主人公を当麻からモブキャラ+当麻+etcに遷移させることでテンポの維持を行っていました。

 普通、敵と釣り合う強さを持つ主人公の存在と話のテンポを維持するために、モブキャラは応援くらいしかすることくらいしかできません。禁書目録18巻はそれらの問題を真っ向から解決しました。モブキャラをパワーアップすることで主人公や敵の絶対的な強さはそのままにしておきながらも敵と戦うことができ、主人公を多数に増やすことで主人公が描かれないストレスを軽減しました。
 東のエデン禁書目録とは違い、問題とベクトルをずらすことでモブキャラのアクションを実現しています。「集合知」を持ち出すことでモブキャラが実際にアクションを起こすシーンを描いています。ニートたちはただのニートのままで、カメラはニートではなく滝沢朗を映し続けます。でもニートたちが一斉に携帯電話に向かう一瞬のシーンと、どんどん伸びていく投稿数だけで2万人がミサイルを撃ち落とすために必死でアクションを起こしていることが見て取れます。ノブレス携帯のような力とは別ベクトルの集団の強さを持ち出すことでアクションを起こすことができ、モブキャラの実際の行動ではなく増える数字を見せることでテンポの維持を図っています。(まあ、ノブレス携帯使えばニート要らなくないかという疑問もありますが。)
 

 以上のことを1回目の視聴でなぜ感じなかったのかと考えると、夏にサマーウォーズを見たのが原因かもしれません。サマーウォーズがモブキャラがアバター(元気)を夏希(悟空)に与えるというだけの元気玉システムを用いていて不満を持ちました。舞台がネットであるにも関わらず、全くといていいほどモブキャラのアクションが描かれませんでした。サマーウォーズで得た不満を見事に取っ払ってくれたのが今回の集合知によるモブキャラの救済参加です。
 ネットワークにより皆が繋がっている舞台でモブキャラがただ祈ることは許されないのです。集合知を持ち出せば主人公を立てつつも世界の救済に参加することができるのですから。