ストレス削減の先へ―ハッピーアクアリウム考察―
先週、とある理由からハッピーアクアリウムという魚を水槽の中で育てるソーシャルゲームに触れる機会を得たのだが、うまくできてるゲームだったので感想を述べようと思う。
どうも世界でかなり多くのユーザを獲得しているらしく、うまくできてると思えるのは当然のようなんだけども。
ちなみにハッピーアクアリウムはmixiから遊ぶことができる。
さて、ハッピーアクアリウムについて述べる前に、私のソーシャルゲーム経験について触れよう。
ぶっちゃけソーシャルゲームはほとんどやったことがない。プレイしたことがあるのは2、3個くらいだ。それでもハッピーアクアリウムと同じジャンル*1であるみんなの動物広場をプレイしたことがあるため、それとの比較はできる。*2
ということで、まずはみんなの動物広場を初プレイしたときの私の感想から始めることとする。
みんなの動物広場をプレイして真っ先に思い出すのはたまごっちだ。ようはデジタルペットである。
では、たまごっちから進歩したことは何か? グラフィックの向上でも、金を稼ぐゲーム性でもない。最も大きな進歩は、動物たちがたまごっちよりも遥かに死ににくくなったことだと思う。たまごっちやデジモンで遊んだことがある人なら誰でも、学校へ朝に行き部活をして夜帰ると死んでいた、または病気になっていたなんてことを経験してると思う。*3しかし、みんなの動物広場の動物は半日くらい面倒をみなくてもなんとか生きている。ようは、学校へ行く前と帰った後に世話をするだけで牧場を維持することができるバランスになっているのだ。動物の死(=プレイヤーにとっての最大のストレス)の可能性を低くすることで、プレイヤーが途中でゲームを投げ出すことを防ぐことができ、ユーザ数を維持することに繋がる。*4しかし、1日も放っておくと動物は死んでしまうので、ちゃっかりとwプレイヤーに半日1アクセス以上を要求している。
では、ハッピーアクアリウムのシステムに話を移そう。
ハッピーアクアリウムは今までの農場経営ゲームの常識を覆した。*5なんと、ハッピーアクアリウムで飼う魚たちは死なないのだ!*6ハッピーアクアリウムの開発者は、魚の死の可能性を低くするだけでは不十分だと考えたようだ。みんなの動物広場では、動物の死の可能性が低いものの、先に述べたとおり1日世話をしないと死んでしまうゲームバランスになっている。ということは、忙しくて面倒をみるのを忘れてしまったら、次の日には動物たちが全滅していることになる。動物が全滅するとプレイヤーのやる気が削がれてしまい、中にはプレイを止めてしまう者も現れるだろう。
このようにしてプレイヤーがゲームから離れるリスクをハッピーアクアリウムは排除した。プレイヤーがストレスと感じる最大の悪システムがあるのだからさっぱり切ってしまえばいいという単純かつ大胆な行動にでたのだ。それにより、プレイヤーは1、2日アクセスしなくても、デメリットなしにゲームを再開することができるようになった。また、飽きて1回やめてしまったとしても、いつでも戻ってくることができるのは魅力的だ。
上で「死」の排除を大胆な行動と述べた。その理由はアクセス数にある。みんなの動物広場はユーザに動物を死なせないためのアクセスを毎日要求している。しかし、ハッピーアクアリウムはアクセスしなくてもプレイヤーにリスクがないため、このままだとアクセス数は低くなってしまい、広告収入が期待できなくなる。*7この問題を解決するための仕掛けとして、トレジャーハントという1日にプレイできる回数が制限されているミニゲームが用意されている。このミニゲームをすることでアイテムを手に入れることができるため、毎日ミニゲームをするためにプレイヤーがアクセスしてくれることを期待している。
蛇足。
もうひとつハッピーアクアリウムがみんなの動物広場よりも優れていることがある。ハッピーアクアリウムの水槽に餌をまくと腹を空かせた魚が群がってくる。農場ではなかった餌やり時のリアクションがプレイヤーを楽しませてくれる。
追記:芸も仕込めるらしいですね。農場のように収入をどうやって上げるかだけでなく、他のプレイの選択肢もユーザに与えているのも農場ゲームと違うところ。