麻帆良の秘密―魔法先生ネギま！324時間目感想・考察―

　以下、久しぶりのネギま感想。

虚淵玄が用意した最大の仕掛け ―魔法少女まどか☆マギカ総括―

　皆様、お久しぶりです。
　サボりにサボって実に1ヶ月ぶりの更新です。

　さて、久々に面白いアニメであったまどかマギカが先週終わった。
　今月から社会人である私は、まどかマギカの放送をリアルタイムで見ることが叶わなかった。翌日、待ちに待った最終回ということで、飲み会を断り*1、はやる気持ちで帰宅し、食事もせずまま視聴した。
　しかし、最終回を見終わった私の中には残念な気持ちが残ることになる。そこで、友人とskypeでまどかマギカ最終回について話すことにした*2。結果*3、マイナスの気持は晴れて、残念だと思っていた部分が、素晴らしいものだと思えるようになったのだ。
　今、私がまどかマギカに対して残念だと思っているのは、第11話と第12話の放送の間に視聴者に考えさせる時間を挟まなかったことだけ*4で、作品自体にもう不満はない。

　前置きが長くなったが、本記事では、私が一瞬は残念に思い、そしてすぐに素晴らしいものだと言うことになったまどかマギカ全体に渡って仕掛けられた1つの大きな仕掛けについて述べる。

　まどかマギカには原作がなく、視聴者は全員先の展開を知らないため、先の展開を予測するなど大いに考察と議論が盛り上がる結果となった。QBの正体、魔女の正体、ほむらの正体*5など様々な説が起こった（だろう）が、まどかマギカが視聴者へ課した最大の問題は「では、まどかたちが幸せになるにはどうすればいいでしょう？　予想してください」だ。QBや魔女の正体は、この最大の問題を解くための情報を小出しにした結果生まれた小さな問題でしかない。

　問題解決のために、まず、簡単に思いつくのが、「まどかの願いでどうにかする」方法だ。まどかはどんな願いでも叶えることのできる素質を持ち、スタッフが11話かけて創り上げてきた悲劇の世界を一声でリセットすることのできるデウス・エクス・マキナ*6である。そして、まどかの願いで幸せをもたらす展開であると仮定すると、次は「じゃあ、願いの内容は何でしょう？」という問題が立ちふさがり、多くの人がこの問いに挑んだ。

　2つ目以降の方法には詳しく触れないが、まどかの願いを使わない方法に大別される。こちらを支持する人は、なんでも願いを叶えることができるなんてあからさまに釣り糸だし、さすがにまどかの願いは使われないだろうという予想に基づく。しかし、この方法で問題を解決できるんじゃないかと考えた人は決まってある問題にぶつかる。私もその1人だ*7。その問題は魔法少女-魔女システムである。
　魔法少女-魔女システムの恐ろしい所は、QBが目的を達成して地球からいなくなると魔法少女が生まれなくなるため、次第に魔女も少なくなっていくことで魔法少女の魔女化が進行する、または魔女が多くなりすぎて少数の魔法少女では対抗できなくなることだ。ハッピーエンドを迎えるためにはQBをどうにかするしかないが、QBをどうにかしたところで魔法少女-魔女システム生きているために地球は将来的に魔女に支配されることになる。

　QBを退けたところで、魔法少女-魔女システムが生きているためにハッピーエンドを迎えることができない。ならば、まどかの願いで、魔法少女-魔女システムを崩壊させればいいという結論にたどり着く。何度も言うが、まどかの願いはデウス・エクス・マキナだ。どうにもできない悲劇（＝魔法少女-魔女システム）に対しても、彼女ならハッピーエンドをもたらすことができる。「まどかの願いは釣り針だ」という先入観なしに、後から振り返るからこそ言えることだが、「まどかの願いによる魔法少女-魔女システムの崩壊」が第10話まで見たときに導ける最高の解答だったと思う。

　第10話時点では「まどかの願いによる魔法少女-魔女システムの崩壊」が最高の解答だった。しかし、第11話でそれは最低の解答の1つになる。魔法少女-魔女システムは人類の歴史に古くから根ざし、社会の裏から人間社会の発展を支えてきたものだと明かされたからだ。魔法少女-魔女システムの崩壊は、つまり人間社会の崩壊を意味するのだ。
　これが、私が第11話と第12話の放送の間に時間を置くべきだったと主張する理由である。情報を小出しにしたことで、第10話時点で与えられていた情報から考えた最高の解答を、第11話が踏み潰す。第10話放送後に「魔法少女-魔女システムの崩壊」にたどり着いた視聴者は唖然としたことだろう。虚淵にハッピーエンドを望むなんて所詮無理だったんだと悲嘆にくれるだろう。
　第11話までの情報をすべて合わせるとハッピーエンドの解答がなくなる。何が起こっても魔法少女は幸せになれない。

　では、実際にはどうだったか。
　第12話でまどかは「魔法少女が魔女にならないこと」＝「魔法少女-魔女システムの崩壊」を願う。
　まどかが魔法少女が不幸になるくらいなら洞穴での生活でもいいと思ったのか、そこまでまどかの考えが及ばなかったのかは不明だが、まどかは最悪の選択をしてしまった。

　しかし、みなさんも知っての通り「魔獣」という魔法少女-魔女システムの代替物が突如出現することで、魔法少女-魔女システムが支えてきた人間社会は崩壊せずに済んだ。
　魔獣こそが、私が勘違いしたことであり、素晴らしいと言うものだ。
　「魔獣が『突如』出現した」と書いたが、それは間違いである。
　魔獣出現の予兆は視聴者の最も近くに、最も長く置かれていた。
　その予兆こそが、まどかの願いである。

　何度も言おう。まどかの願いはデウス・エクス・マキナである。しかしそれは、見え見えのデウス・エクス・マキナだ。
　あからさますぎるから、まどかの願いを使用する方法以外でハッピーエンドを模索した。だが、魔法少女-魔女システムに対して為すすべがないために、結局は見え見えのデウス・エクス・マキナに頼ることになってしまった。
　ところが、11話によってデウス・エクス・マキナの欠陥が明らかになった。
　どんな物語でもハッピーエンドに変える神でも立ち向かえない悲劇、それが虚淵なのか！と視聴者が嘆くことになる。

　そこで登場するのが、本物のデウス・エクス・マキナ「魔獣」*8である。
　虚淵は、偽のデウス・エクス・マキナ（＝まどかの願い）をわざと見せることで、視聴者が本物のデウス・エクス・マキナ（＝魔獣）が出てくることを予想する可能性を0にまで刈り取る*9とともに、本物のデウス・エクス・マキナの出現に脚本としての説得力を持たせた。
　まどかマギカは、まどかがデウス・エクス・マキナと見せかけて、最後に本当のデウス・エクス・マキナが登場する物語なのだ。

*1:飲み会を断った本当の理由は体調不良。

*2:私は基本的に人に話すと自己解決するので、話に付き合わされる友人は迷惑極まりないだろうね。

*3:時間にして約2分の一方的な会話。

*4:理由は後述する

*5:黒猫は一体なんだったんだろうか。

*6:明確に提示されているのだから正確にはデウス・エクス・マキナではない

*7:「ほむほむの時間逆流で魔女エネルギーを無限に稼ぐ」という方法を本ブログに書いたが、ここで取り上げる問題以外に、QBの持つエネルギーのみが時間逆流の中でそのまま保存されなければ成立しないという重大な欠陥を抱える。

*8:魔獣は、デウス・エクス・マキナであるからこそ、デジタル（＝機械仕掛け）の聖人（＝神）の姿で描写されているのだろうと考える。

*9:もともとが0だろうというツッコミは勘弁ください。

Select Misted Goal―まどかマギカ10話感想・考察―

　久々に先を予想するのが楽しいアニメだし、現実逃避気味に最終回予想（？）でも。
　ちなみにまどかが願いで自身を含めて全てを救うことは考慮していない。
　関東では放送中止されたようなので以下格納。

魔法先生ネギま!320時間目感想・考察

　以下今週のネギま感想。

2011年1月〜2月に読んだ面白かったマンガまとめ

　修論や外部発表などで忙しく（といってもつぶやいたり、アニメ見たりしてましたけど）、前回の更新から1ヶ月たってた。。。
　4月から社会人なので、現在は免許合宿に来ています。私的に教習所選ぶとき情報少なくて困ったので、やる気出たらレポ上げる予定。

　さて、久々の記事は、1月〜2月に読んだマンガから面白かったものをいくつかピックアップして、それぞれ一言コメントを添えときます。新作はハードルが比較的低くなっています。
　真の目的は、年末の振り返りのための備忘録なんですが。

　では、まずは新作から。

　時の消失請負人1巻

時の消失請負人 01: (電撃コミックス)

　依頼を受けて過去の出来事をなかったことにするタイムトラベラーが主人公の話。
　電撃大王ジェネシスのWEBページにて毎回無料公開されてますが、4話を逃してしまったので1巻収録の3話の引きが気になります。展開的にはかなり早そうで数巻で終わらせるつもりでしょう。
　あと、おんにゃのこが可愛く描かれています。

　やさしいセカイのつくりかた1巻

やさしいセカイのつくりかた (1) (電撃コミックス)

　こちらもジェネシス連載。
　飛び級で博士号をとった天才がトラブルで日本の女子高に赴任してくる話。ハーレムもので担当クラスの天才少女と、読者モデルの子に好かれる話です。
　まだまだ始まったばかりですが、悪くはないのでこれからどうなるか楽しみ。

　榊美麗のためなら僕は…ッ！！1巻

榊美麗のためなら僕は…ッ！！(1) (アクションコミックス)

　ひとひらの榊さんを主人公にしたスピンオフ。
　大学で旗揚げした劇団で、劇団員の中学生に告白されて、うぶな榊さんににやにやできるマンガ。

　嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん　とっておきの嘘

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん　とっておきの嘘 (角川コミックス・エース 317-1)

　ライトノベルみーまーのコミカライズ。
　原作は読んでないので比較できませんが、面白かったのでピックアップしました。原作読みたくないけど興味はある人にはおすすめできるでしょう。

　ひまわりさん

ひまわりさん (MFコミックス アライブシリーズ)

　本屋の女主人”ひまわりさん”を中心に描かれる短篇集。
　女の子が可愛いマンガで、本屋の主人であるひまわりさんが単純に文学少女というわけではないのは新鮮かな。
　巻数表示がないところをみると、これで終わり？　それだと少し消化不良。。。

　らぶしぇるたぁ1巻

らぶしぇるたぁ 1 (マンサンコミックス)

　高校生2人のセフレを描くマンガ。
　これ以上距離を縮めるのが怖くてセフレを続ける女の子は大好きなので、これも例に漏れずにやにやできるマンガです。
　掲載雑誌の都合上か、1話に1回エロシーンが入るので展開スピードは比較的遅め。
　※一般向けコミック

　ヒメとトノ1巻

ヒメとトノ (1) (まんがタイムKRコミックス)

　こちらも距離を縮めるのが怖くて、なかなか告白できない女の子を主人公にしたマンガ。4コママンガです。
　にやにやｗ

　ここからは旧作や新巻のおすすめマンガ紹介です。

　背伸びして情熱　

背伸びして情熱 (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ)

　発売はかなり前ですが、最近読んだので。。。
　女教師が男子生徒に告白されてどぎまぎする短編をメインにした短篇集。
　大人の女性が恋愛に慌てる様もにやにｙ（ｒｙ

　ベイビーステップ15巻　

ベイビーステップ(15) (講談社コミックス)

　連載時に全国のベイビーステップファンに衝撃を与えた関東選手権前夜を含む巻。
　終盤から突入する井出戦も熱い戦いとなるので、次巻収録分も面白いです。

　プリズマ☆イリヤ　ツヴァイ！3巻

Ｆａｔｅ／ｋａｌｅｉｄ　ｌｉｎｅｒ　プリズマ☆イリヤ　ツヴァイ！　（３） (角川コミックス・エース 200-5)

　もともと好きなノリだったんですが、第2期になってから面白さが倍化した作品。
　インクルードの使い方が秀逸で、2巻におけるセイバー対アーチャーの接近戦など、原作Fateでは実現されなかった夢のカードが次々と実現します。
　今巻ではバゼットが参戦して戦いは激化。ということはカレンも将来的に登場するのかな。マーボー神父は。。。。

　名探偵コナン71巻

名探偵コナン (71) (少年サンデーコミックス)

　本記事の最後を締めくくるのに相応しい、コナン史上最高の長編”ロンドン編”中盤までを含めた巻。”ロンドン編”はそのまま映画化してもいいんじゃないかという出来で、圧倒的な興奮と緊張感を久々に提供してくれました。
　最近コナン買ってないなあという人も今巻を機会に再び読み始めては？
　71巻前半に収録されている千葉刑事の初恋話も面白かった。

2010年の作品を振り返る―マンガ新規部門―

　2010年の作品を振り返る＞マンガ新規部門

　2010年触れたマンガのなかから2010年発売のものを私的ランキングです。

　5位　カウントラブル

カウントラブル(1) (講談社コミックス)

　1巻感想はこちら（手抜き）→http://d.hatena.ne.jp/asacha/20100709/1278607057
　この漫画、ノリが好きです。

　4位　煩悩寺

煩悩寺 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

　秋★枝作品を今年初めて読んだんですが、なにこれ可愛い。OL可愛い。速攻他の秋★枝作品も買っちゃたよ。

　3位　少女素数

少女素数 (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)

　え？　OL？　おんにゃのこも可愛いですよ。

　2位　むすんでひらいて

むすんでひらいて (1)

　無料コミックなのに素晴らしい出来のラブコメ。正直無料コミックなめてました。少年少女の恋愛がオムニバス形式で進んでいく。河下水希先生の初恋限定と同じ形式です。
　私にとって魅力的なのは片想いの多いこと多いこと。初恋限定もそうでしたが、ハーレム形式よりも恋に悩む少年少女の形式の方が好きです。
　ちなみにお気に入りの娘は幼馴染キャラの夏。ただでさえ、好きなキャラ造形なのに恋に敗れ悩み苦しむ彼女が大好きです。

　1位　1/11

1/11 じゅういちぶんのいち 1 (ジャンプコミックス)

　そして1位の作品もオムニバス形式。むすんでひらいてとは違い、（1巻では）主人公が全て違います。子供の頃知り合ったサッカー少女の死を受けて、サッカーを止めた少年が再び立ち上がる。そんな彼に影響されながら周りも変わっていくという内容。
　彼らが今後どう育っていくか目が離せません。今後は11全員の話をやるのだろうか。

　さて、2010年発売のマンガをランキング形式で発表しましたが、見て分かるとおり短編集や1話完結のマンガだらけになりました。2010年は気に入った週刊誌連載のマンガがなく、長編ストーリーが売りのマンガがランキング入りすることは叶いませんでした。
　そこで、今後に期待している新規マンガの紹介を以下でします。かなり個人の好みが影響されていて、こうなったら好みのストーリーだなーという希望が込められていることに注意下さい。

　ジゼル・アラン

ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)

　金持ちのお嬢様が、大家をしているアパートで、家賃滞納者のエリックと何でも屋を始める話。
　お嬢様育ちのせいで世間のことを知らず、相棒のエリックに何かと頼ることになるジゼル。森に住む子を助けることができず、自分が1人では何もできない子供だと知って、大人になることを胸に誓う。
　まだ単行本に収録はされていませんが、最近、他の何でも屋と協力して依頼をこなす話がありました。人々がそれぞれの長所を用いて目的を達成する「組織」の存在を知ったとき、彼女はどう行動するのでしょうか。

　純潔のマリア

純潔のマリア 1 (アフタヌーンKC)

　もやしもんの作者の新作。
　百年戦争を魔法によって止めようとする魔女マリアの前に、天からの使者ミカエルが現れ、言い放ちます。「処女を捨てた（個の幸せ）場合、戦争を止めるための魔法の力（世界の幸せ）を失う呪いをかけた」と。
　個と世界をどうやって両立させるかがテーマの本作。マリアが悩み下す結論はどうなるでしょうか。ただ、本作の問題はミカエルを説得するという、個と世界を両立させるための裏技が存在することか。

　ラストは。。。。
　ウワガキ

ウワガキ 1巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

　一度、日記に書きましたが、「本物と、本物と異なる意志を持つが本物に精巧な偽物が存在した場合、どうやって両立させるか」というテーマが好きなんです。
　ウワガキでは、主人公の片想いの彼女がマッドサイエンティストのせいで2人に分身します。オリジナルは今の彼氏と付き合い続け、コピーは主人公の家に居候し恋をし、別々の人生を生きて行くことになる。
　ただし、マッドサイエンティストの「想いを融合されたら強いほうが弱い方を上書きするか」調べる実験のために、分裂した2人は将来融合することが決まっています。確実に片方が上書きされてしまうことが運命づけられており、それはコピーが主人公をどれだけ好きになるかで決まってしまう。
　結末に期待しています。。。。がこちらもテーマに対する回答を回避する方法があるんだよなー。

激突へのカウントダウン―魔法先生ネギま!314時間目―

　以下今週のネギま。